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記事2026年8月3日

旅館の販促を成果につなげるキャンペーン企画の考え方

旅館の販促を成果につなげるキャンペーン企画の考え方

旅館の販促、フェーズを分けないと施策が空回りする

「キャンペーンを打っても予約に結びつかない」というご相談を、旅館・旅館業のオーナー様からよくいただきます。話を聞くと、認知がまだ足りない段階でクーポンを配ったり、すでに来館経験のある方に初回向けの訴求をしてしまったりと、フェーズと施策がかみ合っていないケースが目立ちます。

販促を「認知・検討・リピート」の3段階に分けると、何をいつ打てばいいかが整理されます。

認知フェーズでは、まだ旅館の名前を知らない層に存在を届けることが先決です。Googleマップ上の露出強化と、InstagramやXを使った景観・料理の投稿が効きます。検索で旅館を探す人の多くはまずGoogleマップを見るため、Googleビジネスプロフィールの最適化は認知段階の基盤です。写真の更新頻度や口コミへの返信が表示回数に直結します。

検討フェーズに入ると、ユーザーはすでに複数の旅館を比べています。刺さるのは「理由のある特典」です。「平日限定・温泉無料延長」や「2名以上で夕食1品追加」のように、価格を下げるより体験の質を上げる訴求のほうが、OTAのプラン比較でも差別化しやすい傾向があります。「なぜ今この旅館か」を答えられるプラン設計が鍵です。

リピートフェーズは、既存顧客への接触が中心です。来館後のメールや公式LINEで季節ごとのキャンペーンを案内する、誕生日月に特典を送る、といった施策が実際によく機能しています。新規集客よりコストが低く、口コミ投稿にもつながりやすいため、優先度は高いフェーズです。

3つのフェーズはそれぞれ「届ける相手」も「求める行動」も違います。施策を考える前に、今自分の旅館がどのフェーズの課題を抱えているかを一度確認してみてください。

旅館キャンペーンの企画は「文脈」から逆算する

キャンペーン企画でよくある失敗は、「割引率をいくらにするか」から考え始めることです。割引は集客の入口にはなりますが、価格に敏感な層しか集まらず、翌年も同じ割引を続けなければならない構造になりがちです。Ripposを通じてオーナー様と話す中でも、「値引きすると売上は動くが、手元に残らない」という声を繰り返し伺います。

企画の起点として有効なのは、お客様が旅館に来る理由=文脈を先に決めることです。季節・記念日・平日の閑散期が、特に使いやすい切り口です。

季節キャンペーンは「桜・新緑・紅葉・雪見」のような自然の変化と結びつけると、割引なしでも予約動機になります。重要なのは「なぜ今の時期に来ると特別か」を文章で伝えること。ある温泉旅館のオーナー様から伺ったのは、紅葉期に露天風呂からの眺めを細かく言語化した特設プランを作ったところ、通常期より客単価が上がったというケースです。写真1枚よりも、情景が浮かぶ文章のほうが検討を後押しするといいます。

記念日プランは、誕生日・結婚記念日・還暦といった節目を対象にすることで「その日だけの理由」を作れます。特別感を演出するのは金額より細かさで、部屋への装飾メッセージや記念撮影サービスなど、原価をかけすぎずに体験の密度を上げる工夫が効果的です。OTAとの相性もよく、新規客の獲得に動きやすい傾向があります。

平日・閑散期の企画は、ターゲットを絞るほど刺さりやすくなります。「平日限定 ひとり旅プラン」「シニア夫婦のゆっくり2泊プラン」など、週末に動けない層・移動の自由度が高い層に向けて設計すると、競合旅館と正面衝突せずに需要を拾えます。「全員に向けた平日割引」より「特定の誰かに向けたプラン」のほうが、同じ値引き幅でも申込率が高くなるケースをよく見てきました。

キャンペーンを企画するとき、まず「どんな人が・どんな理由で来るのか」を一文で書いてみると、プラン名・特典・発信文面の方向性が自然と揃います。企画がブレる旅館は、この一文がないまま施策を積み上げていることが多いです。

OTA・自社サイト・SNS、チャネル別の使い分けと費用対効果

チャネルの使い分けを一言で言えば、「新規集客はOTA、収益改善は自社サイト、文脈の醸成はSNS」です。それぞれ役割が違うため、同じキャンペーンを全チャネルに横展開しても効果は薄くなります。

OTAは楽天トラベル・じゃらんをはじめ、検索意欲の高いユーザーに即リーチできる点で認知〜検討フェーズの主力です。ただし手数料は売上の10〜15%前後かかることが多く、割引プランを重ねると客単価が思った以上に残りません。OTAに出すプランは「露出を取るための入口」と割り切り、素泊まりや短時間滞在など単価を下げやすいプランに絞る使い方が現実的です。

自社サイトの予約窓口は手数料がほぼゼロである分、利益率が大きく改善します。ここへの誘導策の定番が「自社限定特典」で、アーリーチェックイン・食事のグレードアップ・オリジナルアメニティなど、金銭的な割引を避けた体験価値での差別化が有効です。既存顧客へのLINEやメール配信で「公式サイト限定」と明示して誘導するパターンを、多くのオーナー様が実践されています。

SNSはInstagramを中心に、「来館理由の文脈」を育てる場所として機能します。直接の予約転換を期待するより、露天風呂の朝霧・地元食材の仕込み風景・スタッフが書いた季節の一文など、その旅館にしか出せない日常を積み重ねるほうが中長期の集客に効いてきます。効果が出るまでに時間がかかるため、OTAや自社サイトと並行して続けることが前提です。

OTAは即効性がある一方でコストが重く、自社サイトはコスト効率が高いが誘導の仕掛けが必要、SNSは低コストだが中長期の運用が条件——どれか一つに頼ると特定のリスクに偏るため、フェーズに合わせて比重を変えながら3つを組み合わせるのが、Ripposを通じて多くの旅館オーナー様が行き着く形です。

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